アルベロ.として、人生の最終章に関われる喜び

東京に住む女性の方で

いつもお店に立ち寄ってくださる方が

「亡くなった母が、アルベロ.のジェラートが大好きだったんです。」

「今は父が入院していて、早く食べたいといつも言っているので、

退院したら食べに行こうと話しているんです。」

と、涙を浮かべながら話してくださったことがありました。

その方が先日、お父様が退院されたということで

その足でアルベロ.に来てくださいました。

ご高齢の、やせ細ったカラダで

「やっと来れたよ。本当に食べたかったんだ。」

と私に言ってくれた時は、もうお顔をまともに見れないほど

感謝と感動で一杯になりました。

娘さんは「癌が見つかってから、たったの半年で逝ってしまった母にも

食べさせてあげたかった。」と。

私も随分前に父を亡くしました。

亡くなる10年以上も前から、会うこともなくなっていましたので、

生前の父との記憶は、子どもの頃のまま。

うなぎの職人として、私に得意げに蒲焼を作ってたべさせてくれたことばかりが

頭の中にぐるぐると駆け巡るばかり。

美味しいうなぎのお礼に、ジェラートを食べさせてあげたかった。

今の自分なら、きっと父と対等に話が出来たんじゃないかって思うんです。

そんな思いがこのとき胸を締め付けました。

看護師を辞めて、もう5年。

看護師を辞めたことに対する悔いはまったくないというか、

今でも自分は看護師であるという信念みたいなものは

ココロの中心にあるので、悔いという言葉は当てはまらないというのが

的を得ている感じでしょうか。

ジェラートを作ること。

お菓子を作ること。

人を繋ぐイベントをすること。

sunny birdの活動。

そのすべてに共通して貫かれていることは

看護の心です。

「どうしてそんなに頑張るんですか?」

そんなことを最近は言われるようになりました。

私としてはまだ足りない。

まだまだ足りない。

自分に出来ることはもっとあるはずだと思えます。

どれだけ出来るのか分かりません。

でもまだ私の頭を、まだまだだと、さまざまなことが思い浮かびます。

必死の思いで生き抜くこと。

どこまで出来るかやり続けたい。

強気で生きたい。

強く強く、もっと強く。

強くて太い、どんな風にも倒れずに

周りの木々を支える大木に。

アルベロ.がそんな木として、みんなを守り支える存在になれるように。

辛くて苦しくて、どうしていいかわからないとき

思い出してもらえるアルベロ.でありますように。

そんな味と場所をこれからもずっと。